読んでやめる精神の薬 - 浜六郎 著 – 向精神薬の本
読んでやめる精神の薬 浜 六郎 著
2014年1月20日初版発行 195ページ
この記事の目次
- 読んでやめる精神の薬 – 読む前の前提として忘れではいけない事‥
- 浜 六郎 医師について
- 読んでやめる精神の薬 – 読んでの私の感想
- 読んでやめる精神の薬 – 目次
読んでやめる精神の薬 – 読む前の前提として忘れではいけない事‥
この系統の本の注意点として、掲載情報を鵜呑みし、傾倒しすぎても駄目である。読み手として、情報の取捨選択が必ず必要、と付け加えておきます。
また、この本は、精神の薬の薬害などを掲載していますが、患者として「無理にやめなくてはならない」という訳ではありません。あくまでも浜六郎先生が、提唱している記事であるので、主治医と相談しながら病気の改善を図る事が必須です。
浜 六郎 医師について
はま・ろくろう 医師(内科・疫学)
1945年徳島県生まれ
1969年に大阪大学医学部を卒業後、大阪府衛生部(食品衛生、環境衛生)
1997年まで阪南中央病院(総合病院)に勤務
1986年に製薬企業から独立した医薬品情報誌「TIP(正しい治療と薬の情報)」を別府宏圀(べっぷ・ひろくに)氏とともに創刊(副編集長)
著書「薬害はなぜなくならないか」(日本評論社)の刊行を機に 1997年に病院を退職して医薬ビジランスセンターを設立。
2000年4月にNPO(特定非営利活動)法人医療ビジランスセンター(NPOJIP / 通称:薬のチェック)としてスタート
2001年から季刊誌「薬のチェックは命のチェック」を編集・発行。
医薬品の安全で適正な使用の為の研究と情報活動に取り組む。
「新版 病院で聞くことば辞典」(岩波書店)
「薬の診察室 – 薬と毒の見分け方」(講談社)
「下げたらあかん!コレステロールと血圧」(日本評論社)
「高血圧は薬で下げるな!」(角川書店)
「やっぱり危ないタミフル – 突然死の恐怖」(金曜日)
「くすりで脳症にならないために – タミフル脳症を中心に」(NPOJIP=薬のチェック)
「認知症にさせられる!」(幻冬舎)
「新版 のんではいけない薬 – 必要な薬と不要な薬」(金曜日)
など、著書多数…
読んでやめる精神の薬 を読んでの私の感想
「読んでやめる精神の薬」よかった事
私は16年に渡って、向精神薬を服用してきました。最初、パニック障害にはじまり、次にうつ病、その次に不安障害といった感じで、結局の所、完治はせずにズルズルと薬の作用に頼り過ぎてきました。読書した当時は、向精神薬(パキシル、ソラナックス、デパス等)をたくさん服用しなくてはならない状態にあり、これをどうにかしたかった事もあります。
この本「読んでやめる精神の薬」を読んで、考え方を変えるきっかけをもらった気がします。
「読んでやめる精神の薬」少し残念なところ
この本は、おそらく浜六郎医師が、薬の薬害にフォーカスして記述していった経緯があるように思います。
結局、向精神薬をやめても、その後のフォロー体制についての記述がほぼ無いので、そこにも少しフォーカスして頂きたかったという気持ちがあります。
「読んでやめる精神の薬」を役立てていく…
とは言え、この本のもたらした私への影響は、計り知れないものがあり、長期に渡って向精神薬を服用し続けると、耐性ができているのか、薬がどんどん効かなくなっています。そこで、浜六郎医師の本と出合って、共感し2020年1月から本格的に減薬するとともに、カウンセリングによる心理療法(認知行動療法)、運動で汗をかき、日光を浴び、本来備わっている体内時計、自然治癒力を高める事も取り入れ下記の様に断薬を続けました。
2020年6月現在、下記の様に半年に及ぶ成功体験の積み重ねや、減薬、少しの後戻りをしながら、安定して減薬出来てきています。
2019年12月初旬の向精神薬服薬状況
- 朝:ソラナックス0.4mg1錠、デパス0.5mg1錠
- 昼:ソラナックス0.4mg1錠、デパス0.5mg1錠
- 夜:ソラナックス0.4mg1錠、デパス0.5mg1錠、ドクマチール50mg1錠、パキシル10mg2錠、サインバルタ20mg1カプセル
- 就寝前:ソラナックス0.4mg1錠、デパス0.5mg1錠、レンドルミン0.25mg2錠、マイスリー50mg2錠
2020年6月初旬の向精神薬服薬状況
- 朝:ソラナックス0.4mg1錠
- 昼:ソラナックス0.4mg1錠(服薬しない時が多い)
- 夜:ソラナックス0.4mg1錠、パキシル10mg1錠
- 就寝前:ソラナックス0.4mg1錠
付け加えると、減薬方法として本の中にある「アシュトンマニュアル」は、参考程度に見ておくようにしましょう。
アシュトンマニュアル通りにうまく断薬できるかと言えば、私は懐疑的に捉えています。アシュトンマニュアルを実行しようとすると、おそらく現在の向精神薬服薬状況から変更しないといけない方がたくさんいるはずです。急に別の向精神薬に乗り換えた段階で、別の副作用が出現する可能性があると私は考えます。向精神薬のリスクを考えると、避けた方が良いでしょう。
減薬を考えるのであれば、現在の主治医に相談し、減薬プランと同時に心理的アプローチ(カウンセリング、認知行動療法)等も併せて抗精神薬の減薬に取り組むべきと感じます。
読んでやめる精神の薬 – 目次
第一章 うつ病のはじまり
- うつ病はなぜ起きる?
- ストレスで心臓がドキドキするのはなぜ?
- 脳内安定剤GABAの絶妙な働き
- 不安、うつ状態の心(脳)の反応
- 「ストレス耐性」を鍛える方法
- 「薬は不要」の仕組み – ベンゾジアゼピン剤の場合
- 長期使用による依存症の発現
- 「薬か毒」の仕組み – 抗うつ剤の場合
第二章 不安・不眠の薬
- 薬剤は脳の働きを抑制し、かえって不安・興奮を生む
- 睡眠剤・抗不安剤と神経の関係
- 睡眠剤で耐性ができる仕組み
- 耐性・依存・禁断症状の経過
- 短時間作用型の睡眠剤で起こる症状
- 睡眠剤を使うと、うつ病や病気が増える
- 不眠に悩んでいる人、ケース別対処法
- 「少し不眠」くらいが長生き
- 「いっそ眠くならなくてもいい」と割り切る
- 「薬剤の評価リスト」抗不安剤
- 「薬剤の評価リスト」睡眠剤
不安・不眠の薬を減らす・止める!離脱マニュアル
- アシュトンマニュアルを参考に
第三章 うつ病の薬
- うつ病キャンペーンとSRI
- SRIがもたらす四つの害
- SRIによる攻撃性と暴力行為の例
- パキシルによる他害行為の報告例
- パキシルは大人よりも子供で攻撃性が高まる
- 少量の変動で血中濃度に大きな変化をもたらす
- SRIによる胎児への影響
- 生まれてからもつきまとう悪影響
- 日本の添付文書の記載はなお不十分
- 「薬剤の評価リスト」うつ病用剤
SRIを減らす・止める!離脱マニュアル
- 「SSRI」が本当は「SRI」である理由
第四章 統合失調症の薬
- 100人に1人がかかる病気
- 早期治療開始は治療のカギか?
- 抗精神剤の適量はどのように見極めるのか?
- 抗精神剤による錐体外路症状のいろいろ
- 致死性不整脈、せん妄などの害作用も
- 「薬剤評価リスト」統合失調症用剤
第五章 子供と精神の薬
- 増加する未成年者の精神科受診者数
- 発達障害増加の背景には文部科学省方針
- 精神に作用する薬剤の仕組み
- 発達中の子供に、脳に作用する薬剤を使うな
- 臨床試験が物語るパキシルの危険性
- パキシルはどの資料でも敵意 / 攻撃性が高い
- 妊婦のパキシル使用は子供の成長に影響
- ADHD「注意欠陥/多動性障害」用の薬剤
- メチルフェニデートの多様な害反応
- メチルフェニデートでうつ病になる
- 日本でコンサータを処方できる医師は登録制
- 長期になればなるほど害は大きい
- 安易な「覚せい剤」の使用は避けるべき