池澤夏樹「スティル・ライフ」の感想です【#マナブの宿題】

「一緒に、読書習慣を作りませんかキャンペーン」【#マナブの宿題】

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久しぶりに「こころの病」系書籍から離れ「哲学的書籍」の書評の記事を書きました。

私が書評をするなど怖さと引け目を感じています。しかし、もうすぐ47歳…。今やらなければ「これから先も変わらない自分」の方がもっと恐ろしいと思い書いています。

読むきっかけとなったのは、こちらのキャンペーン

マナブさんの企画「一緒に、読書習慣を作りませんかキャンペーン」を2週間限定ではじめられています。

私は、マナブさんのYoutube動画をよく拝見するのですが「参加型」の企画なのでチャレンジしようと決めました。

チャレンジ理由として、今まで読書に興味はあったが、時間をつくってこなかったことです。
manablog でも記事にある「時間が足りないじゃなく、根性が足りないだけ【それは、甘えです】」が、こころに響きました。

参加概要は以下の通りです。

  • 読書の習慣をつける
  • 課題図書5冊どれか読む
  • 2週間以内にマナブさんにDM
  • 後日マナブさんのYouTubeで解説(参加人数にもよる)

解説していただけるかは、わかりませんが、圧倒的読書力をもつマナブさんにもしかして添削いただけるチャンスは今しかありません。迷うより行動を優先です。

今回、私が読んだ本がこちら

池澤夏樹「スティル・ライフ」

マナブさんの課題図書ではありませんが、以前に「manablog」で紹介されていた本です。こちらの本で課題を提出したいと思います。

ここ数年は、全く読書をしておりません。また、西村京太郎氏や北方謙三氏の小説は過去に読んではいました。しかし、こういった本を手に取る事は無いのですが、なぜかタイトルの「スティル・ライフ」(静止画)に惹かれてました。

スティルライフとは、日本語訳で「静物画」となっています。

その「静止画」が、どのような世界観なのか読み進めていきました。

驚きの目次…なのかという項目の少なさ

1:スティルライフ
2:ヤーチャイカ
3:解説

えっ3項目…。ひょっとすると、すごく難しい本を手に取ってしまったのかも知れないと不安に思いました。

衝撃的ですが重くないはじまり

最初の文章が非常に衝撃的です。

「この世界がきみのために存在すると思ってはいけない。世界はきみを受け入れる容器ではない。」

「世界ときみは、二本の木が並んで立つように、どちらも寄りかかることなく、それぞれまっすぐに立っている。
きみは自分のそばに世界という立派な木があることを知っている。それを喜んでいる。世界の方はあまりきみのことを考えていないかもしれない。」

「外に立つ世界とは別に、きみの中にも、一つの世界がある。君は自分の内部の広大な薄明の世界を想像してみることができる。きみの意識は二つの世界の境界上にいる。」

「大事なのは~(略)~外の世界と、きみの中にある広い世界との間に連絡をつけること、一歩の距離をおいて並び立つ二つの世界の呼応と調和をはかることだ。
たとえば、星を見るとかして。」

「二つの世界の呼応と調和がうまくいっていると、毎日を過すのはずっと楽になる。心の力をよけいなことに使う必要がなくなる。
水の味がわかり、人を怒らせることが少なくなる。」

文章の運びが、後になるにつれ優しく自然、こころの力を抜いてくれる感じがしました。まさに静止画的で、淡々と人々が描かれている印象です。

1:スティルライフ

同じ職場のアルバイト同志の「佐々井」と「ぼく」の不思議な関係性について。淡々とした流れで物語がすすんでいきますが、内容的には、結構大きな事を二人で成し遂げるという内容。
そして「佐々井」は佐々井ではなく偽名。それについて「ぼく」は、少しの不思議感を抱くが、とくにそれについて追及していかない姿勢。

スティルライフでの「佐々井」と「ぼく」は、アルバイトで知り合った関係。二人が語り合う内容は、複雑な感じもありましたが、深く入り込まず読み進めると、二人それぞれの人間性がでてきます。

そして、「佐々井」の結構大きなお願いから「ぼく」が引き込まれています。
しかし、大きなことを成し遂げてる感のない、淡々として独立した二人の考え方が、非常に魅力でもありました。

最も好きになった文面は「 寿命が千年ないのに、ぼくは何から手を付けていいかわからなかった。 ~(略)~ 十年先に何をやっているかを今すぐ決めろというのはずいぶん理不尽な要求だ… 社会は早く決めた奴の方を優先するらしかったが、それはしかたのないことだ。 ぼくは、とりあえず、迷っている方を選んだ。 」
どことなく優しい文面。「ぼく」の人間性を垣間見る場面と「今の自分」をシンクロさせると不思議と気持ちが穏やかになってきます。

2:ヤーチャイカ

父と娘カンナ、偶然知り合うロシア人クーキン氏の不思議な関係性について。

途中、物語が突然「わたしは恐龍を飼っています。」からはじまる違う世界に引き込まれる展開。

そして父と娘カンナ、クーキン氏の物語に引き戻され、再び恐龍のはなしに引き込まれる…。

この「ヤーチャイカ」には、ここちよく振り回される感があります。3人の物語かと思いきや、全く関係性のない「恐龍を飼っている」話が入り込んでくる。そして、同じ章に2つの展開が独立して進んでいく。

片方の物語を読んでいる時に、頭の片隅にもう一方の物語をどこか楽しみにしている自分(私)がいたり。
読後の一言として「不思議な世界観」ということ。

今まで読んだものは、最終的に確かなものが存在して終了…といった感じでした。
しかし「ヤーチャイカ」は、最後まで確かなものが存在しない、そして不確かでもスッキリしている印象です。

さいごに

このような機会がないと、私のような「きづかない人間」は、これからも読書など自己投資もせず、またチャレンジをすること無く人生を終わっていたかもしれません。

文字を起こす難しさを感じています。文字に起こすことは、ブログとも通じるものがある様で、自分の感想を読み手に理解してもらうことでもあります。

「スティル・ライフ」に出会えてよかったと感じています。
読書で気持ちのよい「不思議な世界観」に包まれたのははじめてでした。
そして、まだ知らない本がたくさんあることへの探求心、世界観や思考を学ぶことに引き込まれていきます。

マナブさんには、このような機会を設けていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。今後もマナブさんを応援するとともに、読書からみえる「世界観や思考」を大切に行動、継続していきます。

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