【諦める力】 為末大 著 – 勝てないのは努力が足りないからじゃない –

【諦める力】為末 大 著 を読んで…


amazon 【諦める力】為末 大

勝てないのは努力が足りないからじゃない –

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【諦める力】 為末大 著 – 勝てないのは努力が足りないからじゃない –

諦める力、このタイトルから若干のネガティブイメージが想像されました。しかし、内容はポジティブで、為末大氏の”人間力”が溢れ出た作品です。

仏教の用語で「諦める」は、つぎの様な解釈になります。

「諦める」= 明らめる:真理や道理を明らかにする(見極める)
つづけて「あきらかにする」「つまびらかにする」という意…
つまりは「諦める」=「さとり」を意味し「こころの悩みや迷いが解け物事の本質を理解し自分のものにしていく」ということ…

「自分の才能や能力、置かれた状況などを明らかにしてよく理解し、今、この瞬間にある自分の姿を悟る」

「諦める」ことは、そこで「終わる」とか「逃げる」ということではない。

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勝てないのは努力が足りないからじゃない

ここまでは「はじめに」のパートで紹介されていたことを抜粋させていただきました。このあと、本文へと入っていくのですが、すべての項目において、私達の身近で起こっていることや経験談にもとづくことからの学びがたくさんありすぎます。
仮に「どこが印象的でしたか?」と聞かれると「全てがこころの響く内容です」と自然と答えてしまう本です。

読み返すたびに心の霧が晴れてゆく、夢を捨てても勝負は終わっていないimage
読み返すたびに心の霧が晴れてゆく、夢を捨てても勝負は終わっていない

はじまりから、こんなに論理的でポジティブな思考を教えてくれた本は、今まで読んだことがありませんでした。そして、為末大氏が経験と事実から導き出した内容であることから、思考や思想が身近に、時には緊張感、そしてかたまってしまった現代人の思考を柔らかくし、最後はこころの霧を取り除いてくれる内容になっています。

人間には変えられないことのほうが多い。だからこそ、変えられないままでも戦えるフィールドを探すことが重要なのだ。僕はそれが戦略だと思っている。最高の戦略は努力が娯楽化することである。image
人間には変えられないことのほうが多い。だからこそ、変えられないままでも戦えるフィールドを探すことが重要なのだ。僕はそれが戦略だと思っている。最高の戦略は努力が娯楽化することである。

為末 大 氏 について

1978年広島県生まれ。2001年エドモンド世界選手権および2005年ヘルシンキ世界選手権において、男子400メートルハードルで銅メダルを勝ち取る。陸上トラック種目の世界大会で日本人で初のメダル獲得者。シドニー、アテネ、北京と3度のオリンピックに出場。男子400メートルハードルの日本記録保持者(2020年現在今もやぶられていない)2003年大阪ガスを退社し、プロに転向。2012年日本陸上競技選手権大会を最後に25年の現役生活から引退。現在は、一般社団法人アスリート・ソサエディ、為末大学などを通じ、スポーツと社会、教育に関する活動を幅広く行っている。著書に「走りながら考える」「走る哲学」「負けを生かす技術」などがある。

目次

第一章:諦めたくないから諦めた

  • 十八歳の決断
  • 努力しても無理かもしれない
  • 手段を諦めることと目的を諦めることの違い
  • 「勝ちやすい」ところを見極める
  • 憧れの人は自分の延長線上にいるか?
  • 泣け戦はしない、でも戦いはやめない

第二章:やめることについて考えてみよう

  • 続けることはいいことなのか
  • できないのは努力がたりないからか?
  • 諦めないことの代償
  • 応援してくれる人が責任をとってくれるわけではない
  • 「せっかくここまでやったんだから」という呪縛
  • 「今の人生」の横に走っている「別の人生」がある
  • 他社の願望や期待に配慮しすぎていないか?
  • 「あなたには向いていない」と言ってくれる人
  • 「飽きた」という理由でやめてもいい
  • 日本人の引退の美学、欧米人の軽やかな転身
  • やめるための「儀式」をしよう
  • ルールと締め切りは絶対に守る
  • 迷ったら環境を変えてみる
  • 何を「普通」ととらえるかで人生が変わる

第三章:現役を引退した僕が見たオリンピック

  • 「勝てなくてスミマセン」への違和感
  • なぜ負けたかわからない
  • 自分はどの程度自由か
  • 論理ではなく勘にゆだねる
  • 「負けて悔しいでしょう?」と聞くのは残酷か
  • 「夢がかなう」人はごくひと握り
  • 一意専心よりオプションを持つこと
  • コーチを雇う欧米人、コーチに師事する日本人

第四章:他人が決めたランキングに惑わされない

  • 「したたかなきれいごと」で存在感を出すイギリス
  • 「勝っている状態」を定義する
  • 「どっちがいいか」という選択を毎日意識的にしてみる
  • いつまでも自分で決められない人たち
  • 選ばれるのを待つ人生か、自分で選ぶ人生か
  • 積む努力、選ぶ努力
  • 「俺的ランキング」でいいじゃないか
  • 「陸上なんていつやめたっていい」と言い続けた母
  • どの範囲の一番になるかは自分で決める
  • 金メダルは何の種目で取っても金メダル
  • AKB総選挙で生まれた「それぞれの物差し」

第五章:人は万能ではなく、世の中は平等ではない

  • 不条理というものについて
  • 生まれによる階級、才能による階級
  • あなたにとっての苦役は、あの人にとっての娯楽
  • 「絶対に正しい」ものがあると信じているアメリカ人が苦手
  • 「リア充」なんて全体の10パーセントもいない
  • 「誰とでも」は「誰でもいい」と同じ
  • 「オンリーワン」の落とし穴
  • アドバイスはどこまで行ってもアドバイス
  • 「あなたのためを思って」には要注意

第六章:自分にとっての幸福とは何か

  • 高倉健さんはなぜヤクザ映画をやめたのか
  • 計算、打算は戦略の基本
  • 手に入れていくことの幸福、手放していくことの幸福
  • 「バカヤロー、おまえがなれるわけないだろ」
  • 「やめてもいい」と「やめてはいけない」の間
  • 他者に対する期待値を低くする
  • 世の中は平等ではないから活力が生まれる
  • モビリティを確保する
  • どうにかなることをどうにかする
  • おわりに

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