向精神薬の種類【大分類】化学物質だらけ、副作用や依存性のリスクの高い薬たち

三環系抗うつ薬

「シナプス(※)」前部の「セロトニン(※)」と 「ノルアドレナリン(※)」が、過剰値になるとバランスが崩れ、心身に異常をきたします。三環系抗うつ薬は、その伝達物質の動きを止める働きがあります。しかし、本来必要であるとされる脳内伝達物質(シナプス 後部の ヒスタミン(※)H1(※)受容体、M(※)受容体、α1(※)受容体)まで遮断する為、副作用が出現するとされています。
三環系抗うつ薬の副作用として、便秘、口渇等の副作用が強く、心臓への毒性も高いとされています。その為、他の抗うつ薬で効果のない場合、最終手段的に使われるようです。
三環系抗うつ薬の効果は、SSRI(後述)より遅く(弱く)約1ヶ月以上かかります。
「クロミプラミン(※)」は、セロトニンに働きかけ強迫症状、不安に良いとされています。
意欲低下には、ノルアドレナリン に作用する 「ノリトリプチリン(※)」が用いられます。
不安が強い場合、鎮静に優れた 「アミトリプチリン(※)」が用いられます。

※シナプス:神経細胞が別の神経細胞につながる、連結器の様な細胞を指す。細長い構造で、神経伝達物質の伝わり順に、シナプス前、シナプス後という。
※セロトニン:ストレスに対して有効な脳内物質の一つ。
※ノルアドレナリン:神経伝達物質の1つ(類似:チロシン→ドーパ→ドーパミン→ノルアドレナリン→アドレナリン)
※受容体:生物の体にあり、体外や体内からの刺激を、情報として利用できる様に受け取り、変換する仕組みを持った部分。
※ヒスタミン:種々の動植物組織に存在し生理機能に作用を及ぼす物質。
※H1、M、α1:主に脳内で情報伝達をするタンパク質。
※コリン作用:副交感神経から出た神経伝達物質が各臓器に働き効果を及ぼす作用。抗コリン作用は、それを抑制する作用(副作用の事)
※クロミプラミン:抗うつ薬の1つ。
※ノリトリプチリン:抗うつ薬の1つ。
※アミトリプチリン:抗うつ薬の1つ。

四環系抗うつ薬

三環系抗うつ薬と比較して、作用(効果や副作用)がマイルド(適度な作用が期待できる)とされ、三環系抗うつ薬の主な副作用「抗コリン作用(※)」 (神経伝達物質アセチルコリンの働きを抑える作用)が、出現しにくいとされています。
四環系抗うつ薬の抗うつ作用をあらわす主な作用の仕組みには…
[1]脳内のノルアドレナリンの再取り込みを阻害し、その働きを増強する作用 
[2]脳内のシナプス前「α2(※)」「受容体(※)」を阻害し、シナプス間隙への 「ノルアドレナリン(※)」放出を促進する事で、働きを増強する作用などが考えられています。
[1]が、主な作用とされている薬剤:マプロチリン(商品名:ルジオミール)
[2]が、主な作用とされている薬剤:ミアンセリン(商品名:テトラミド)、セチプチリン(商品名:テシプール)

※ノルアドレナリン:神経伝達物質の1つ(類似:チロシン→ドーパ→ドーパミン→ノルアドレナリン→アドレナリン)
※受容体:生物の体にあり、体外や体内からの刺激を、情報として利用できる様に受け取り、変換する仕組みを持った部分。
※α2:主に脳内で情報伝達をするタンパク質。
※コリン作用:副交感神経から出た神経伝達物質が各臓器に働き効果を及ぼす作用。抗コリン作用は、それを抑制する作用(副作用の事)
※マプロチリン、ミアンセリン、セチプチリン:抗うつ薬の1つ。

SSRI

SSRIとは「Selective Serotonin Reuptake Inhibitor(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)」の略称になります。
うつ病では、脳内の神経伝達物質 「ノルアドレナリン(※)」や 「セロトニン(※)」などの働きが不調になる事で、脳の機能不全が発生、意欲低下、不安やイライラ、不眠等の症状が出現します。
SSRIは、主に脳内で神経伝達物質 「セロトニン(※)」の再取り込みを阻害し、「セロトニン(※)」の働きを増強することで抗うつ作用を現します。
また、「セロトニン(※)」には脳内で神経伝達物質 「ノルアドレナリン(※)」の作用を調整する働きがあります。
パニック障害などは 「ノルアドレナリン(※)」に関与する「 神経の異常興奮 」等によって起こるとされているため、SSRIの中には、これらの疾患に対しても改善効果が確認されている薬もあります。

※受容体:生物の体にあり、体外や体内からの刺激を、情報として利用できる様に受け取り、変換する仕組みを持った部分。
※セロトニン:ストレスに対して有効な脳内物質の一つ。
※ノルアドレナリン:神経伝達物質の1つ(類似:チロシン→ドーパ→ドーパミン→ノルアドレナリン→アドレナリン)

DNRI

SNRIは 「セロトニン(※)」受容体および 「ノルアドレナリン(※)」受容体に作用し、「セロトニン(※)」、「ノルアドレナリン(※)」の濃度を高めます。
効果にスピードがあり、早く現れるのが特徴です。「ノルアドレナリン(※)」は、意欲・活動性の低下に対して特に有用と考えられています。

※セロトニン:ストレスに対して有効な脳内物質の一つ。
※ノルアドレナリン:神経伝達物質の1つ(類似:チロシン→ドーパ→ドーパミン→ノルアドレナリン→アドレナリン)

NaSSA(ナッサ)

NaSSAとは「Noradrenergic and Specific Serotonergic Antidepressant(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬)」の略称です。神経伝達物質 「セロトニン(※)」の作用に関わる 「受容体(※)」には、「5-HT1受容体、5-HT2受容体、5-HT3受容体(※)」などのタイプ(種類)があり、この中で5-HT1受容体は 「セロトニン(※)」による抗うつ作用に深く関わるとされています。「5-HT2受容体と5-HT3受容体(※)」を阻害すると、放出された「セロトニン(※)」は残った 「5-HT1受容体(※)」のみを刺激することができ、「セロトニン(※)」による抗うつ作用の増強が期待できるとされています。

※受容体:生物の体にあり、体外や体内からの刺激を、情報として利用できる様に受け取り、変換する仕組みを持った部分。
※5-HT1受容体、5-HT2受容体、5-HT3受容体:受容体のタイプ
※セロトニン:ストレスに対して有効な脳内物質の一つ。
※ノルアドレナリン:神経伝達物質の1つ(類似:チロシン→ドーパ→ドーパミン→ノルアドレナリン→アドレナリン)

MAOI

「モノアミン酸化酵素(※)」阻害薬(英語: Monoamine oxidase inhibitorの略称:MAOI)は、「モノアミン酸化酵素(※)」の働きを阻害する事で、脳内の主なモノアミン神経伝達物質である 「ドーパミン(※)」や 「セロトニン(※)」、「アドレナリン(※)」のような物質を分解されないようにする薬剤の総称です。
別称MAO阻害薬とも呼ばれ、日本では、過去 抗うつ薬 として多く使われたが、現在では 抗パーキンソン病薬 として使われています。

※モノアミン酸化酵素:ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン、セロトニン、ヒスタミンなどの神経伝達物質の総称
※セロトニン:ストレスに対して有効な脳内物質の一つ。
※ノルアドレナリン:神経伝達物質の1つ(類似:チロシン→ドーパ→ドーパミン→ノルアドレナリン→アドレナリン)

気分安定化薬

躁病(そうびょう – ハイテンション状態)の症状を和らげる薬として登場しました。
どの様な作用かは、まだ完全に解明されていないが、複合的に中枢神経に作用し感情の高まりや行動を抑え、気分を安定化する作用を表すとされています。
主な薬として、「炭酸リチウム(※)」は躁病だけでなく、抗うつ薬と併用することにより抗うつ薬の効果を高める作用をあらわし、うつ病などにも使用する場合があります。

※炭酸リチウム:躁病(そうびょう – ハイテンション状態)の症状を和らげる薬

ベンゾジアゼピン系

ベンゾジアゼピン系は、1955年に薬学博士によって偶然発見され、1960年に抗不安薬として改良された後、1963年販売名「ジアゼパム」等の旧来型の向精神薬です。また、ベンゾジアゼピン系は、化学構造は3環系に類似しています。略称「BZD」とされ「ジアゼパム」「デパス」「ソラナックス」等、向精神薬や睡眠導入剤としても良く使われています。
化学構造としては、縮合したベンゼン環とジアゼピン環が中心ともの。ベンゼン環、ジアゼピン環は、共に化合物で、2つが合わさった化合物で形成されている化合物(向精神薬)を「ベンゾジアゼピン系」と呼びます。
ベンゾジアゼピン系の特徴として、体内物質「GABA(ギャバ)」の代役として「ベンゾジアゼピン」が、機能する。本来人間の体には、興奮、緊張状態になると、「GABA(ギャバ)」が分泌され、興奮、緊張状態を緩和しますが、強い不安、興奮、緊張状態の改善を補うという意味で「ベンゾジアゼピン」を使用します。「ベンゾジアゼピン」を多く服用すると「眠くなる‥」作用が現れ、その害を用いたのが「ベンゾジアゼピン系睡眠薬」です。
昨今では、精神科医、心療内科医をはじめ、深刻な薬害があるとされ、日英で翻訳された「アシュトンマニュアル(断薬マニュアル)」にも記載がある、有名(悪評で…)な向精神薬の系統です。

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